経済財政諮問会議の成立について

 経済財政諮問会議の成り立ちをご存じだろうか。2008年当時の大田弘子氏の著書に詳しい。
 毎年6月にまとめられる骨太の方針は非常に重要だ。これに基づいて制度改革が行われ、翌年度予算が作られる。官邸主導に権力構造を変えた。つまり日本の政治を動かす中枢が諮問会議の場に移った。
 2001年の省庁再編の際に内閣府が新設された。その内閣法に総理大臣の発議権が加えられた。他に内閣官房の強化と諮問会議の設置も決められた。諮問会議の任務は企画立案ではなく、調査審議と規定されているのがミソだ。この組織の前身は経済戦略会議である。
 諮問会議の構成員は、議長である首相と10名の議員と決められている。そして民間有識者を4割以上確保する法律になっている。小泉内閣時代はウシオ電機とトヨタ自動車、安倍内閣からは伊藤忠商事とキャノン。ちなみに牛尾会長は安倍前首相夫人の父である。常に日本経団連の指定席であり、意向が直結するシステムとなっている。スタッフは総勢200名。どちらに向いた政策となるか明白ではないか。